予想外の恋愛
「じゃあ、中島さんのことは正直どんな風に思ってるの?」
「あー…まあ素敵な人だとは思うけど」
「でも好きじゃない?」
「イケメンだし、優しいし、笑顔も爽やかだし背も高いし。稀に見るイイ男なんだよね」
私の理想のタイプ直球ど真ん中ストレートな中島さん。大人の男って感じがして、その振る舞いはスマートだ。
「だけどそれって、朝田さんが隣にいるから余計にそう思うのかなって」
「…なるほど」
「そりゃ、あれだけかっこいい人に笑顔で”ありがとう”とか言われたらちょっとドキっとするけどさ」
「なにそれ、ハッキリしないわねナギサは」
「う…まあね…恋愛経験値が少ないのは自覚してます」
昔からもてていたマチとは違って、私はあまりお付き合いというものをしたことがない。
こんな性格だからかどうしても友達どまりな男の子が多くて、自分でも友達でいた方が楽だという気持ちが強かった。
何人かと付き合ったものの、どれも長続きせず「友達に戻ろう」のパターンばかりだ。
好きになったらなったで、素直になれず彼女らしく振る舞えない。
そう、それは高校生の時…。
「で?ナギサ、近藤くんのほうはどうするの」