予想外の恋愛
自分の部屋に入り、本棚の一番下の段に手を伸ばす。
そして一番後ろのページをゆっくりと開いた。
隅っこのほうに小さな字を見つけ、無意識に正座して文字を目で追った。
”ナギサへ
もう手遅れかもしれないけど書きます。
本当にごめん。ずっとそう言いたかった。
ナギサと出逢って付き合えて、俺は幸せでした。
卒業しても元気で。
近藤樹”
文を読み終えてもしばらく動けなかった。
気がついたら、太ももに雫がぽたっと零れていた。
そしてそれは段々と数を増していく。
本当に書いてあった。
この前までずっと封印していたこの卒業アルバムの中に、また一つ思い出が見つかった。
言われるまで気付けなかった。
この文字も、近藤くんの気持ちも。
悔しかった。
卒業してすぐにこれを見つけたかった。
あの頃の自分に言ってあげたい。自分はちゃんと愛されているんだと。
まだ間に合う。
今からならやり直せる。
もう一度この人と恋をして、今度はお互いに間違うことなく信じ合って、あの頃をやり直せる。
もしかしたらそれが今の私にとって一番良い選択で、幸せなことなのかもしれない。
近藤くんは待つと言ってくれたけれど、近いうちに返事をするべきかもしれない。
答えを出す日は、もう間近に迫っているのかもしれない。