少女Fの思惑

じゅーさん

「マジ光おもしろいな」
「分かんなかったのに聞かなかったのかよ、あははっ!」
「うっせ。クラスのみんなの名前とか覚えれねーし」
「だとしてもさ、同じグループになったやつのくらいはさ?」
「別にいいかなって」
下の名前をきくと3人は大爆笑をし回りの視線を集めた。
やめてよ、目立つの嫌なんだから。
むすっとふてくされていると菅谷くんがよしよしと私の髪をなでた。高校一年生に頭を撫でられる成人女性…情けなっ。
でも振り払うのも面倒なのでされるがままにしておく。
菅谷くんはお母さんみたいだな。澤口くんはバカっぽい子ども?愛すべきバカみたいな。
私のことはもう3人共「光」と呼んでいるが、私の中ではまだ下の名前が空欄になっているためはやくと名前を促した。
「おっけおっけ!改めて自己紹介な、山田 涼だよ」
「俺は澤口 夕ね!」
「俺は菅谷 晴生だよ」
「んー…多分覚えた」
「多分っておい」
「涼、夕、晴生ね」
「そそ!」
なんだか名前でとか違和感あるなぁ。
こいつらに彼女できたときは名字呼びに戻してやろう。
そんなことを思いながら焦げ付いた野菜を箸でつかんだ。



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