雪系男子のゆうちゃん
綺麗。可愛い。触れたい。守ってあげたい。
どうしようもなく、優しい気持ちになりながら
たまにゆっくりと瞬きするその横顔を見上げていた。
私にないものばっかりだから、こんなにも魅力的に感じるのかな。
私は色も白くないし、儚げじゃないし。
小さい頃からずっと空手一筋で励んできた私は、守られなくても完全に1人で生きて行けそうな、
いわゆる恋愛対象系女子みたいなやつ。
人並みか、それ以上にはモテたけど
まあ、そんじょそこらの男子なんかより断然強いから
正直、彼氏なんていなくても平気で、必要性を微塵も感じなかったから
彼氏はできたことないし、これは負け惜しみでも屁理屈でも断じてない。うん。
それにしても、可愛い。
私は片方の手をブレザーのポケットに、コーラを飲みながら、彼を見つめた。
なんか、この人の空間だけふわふわした世界に包まれてるみたい。
同じ学年かな?
背は高いけれど、180センチあるのかな?
同じクラスだったらいいのに。
隣の席なんてどう?
もう、私のものにしたいぐらいだよ。
ずっと見て、ずっと守ってあげたい。
あー、可愛いなぁ。
そんな事を目の前の男の子に対して思いながら、
私は扉にもたれかかって、コーラをグビグビと飲んだ。