雪系男子のゆうちゃん
私を唖然としてみてるゆうちゃんをおいて、私は「さー、頑張った。帰ろ帰ろ!」と身支度をする。
ゆうちゃんも、参考書を片付けてカバンにしまった。
2人で図書館を出ると、もうだいぶ暗くて夏も近づくというのに肌寒い。
「送っていこうか?」
私がそう聞くと、「え、何で?」という顔をされる。
「だって襲われるかもじゃん。」
「は、別に襲われないし。」
と、ちょっと気に障ったのか先に歩いていく。
「だって本当に心配なんだもーん!」
と言って追いかけると、「あやちゃん」と綺麗な声がそう呼んで振り向いた。
あや、ちゃん?
あやちゃんって、まさか私のこと?
「俺がゆうちゃんなら、そっちはあやちゃんでしょ?」
ゆうちゃんが無実の可愛さで首をかしげる。
…!!
死にそう!!
萌えて死んでしまいそう!!
こんなイケメンに、あやちゃん…だって…
「ちょっとキモい」
緩み過ぎた顔をしていた私を軽蔑したように見下げてそう言ったゆうちゃん。
がーん…
キモいって言われた…
でもゆうちゃんの美しい口から発された言葉だから許せる。
っていう私は重症なわけで。