雪系男子のゆうちゃん
結城絢香(ゆうきあやか)side>>
「絢香〜、起きなさい」
「もうちょっと」
「入学式から遅刻してどうすんの」
「今何時?」
「7時半」
「………」
バサバサバサッ!!
勢いよく起きたせいで、ベッドの横の棚の本が数冊落ちた。
「やっば、朝ごはんいらない」
「もー、昨日夜練行くからでしょー。
入学式前日だからやめときなって言ったのに。」
ババっと荷物を詰め込んだカバンを持って、部屋を飛び出して階段を駆け下りる私の背中に向かって、お母さんが呆れた声でそう言う。