Bad Voice
――放課後――――

ダンス部の部活のために
第二体育館へ向かった

俺が向かった頃にはもう
太陽以外の全員が集合していた。

「あ、ゆーき…、今日から本格的に練習開始だよ!」

拓弥が俺に気を使っているのだろう
わざと高いテンションで話しかけてくる


「はろーはろー、きたでー。」

そこへ太陽がやってきた


「あ、た、太陽…。」

皆が動揺して最初に話し出したのは
凌雅だった

「なんやねん、皆してテンション低いやん」

太陽は、笑いながら言った
しばらくの沈黙が続き
最初に沈黙を破ったのは


「何のことかは分かっとるやろ?自分がしたことやねんさかいに」

晃介だった

「あ、あれかてゆーかなお前らちょっと勘違いしてるんとちゃうか?」

太陽が、納得したように頷きながらも
腕を組みながら言う。

「確かに、俺は5人でよってたかって
寺坂をいじめとったよ?」


「それが最低って言ってるんだよ!」

祐亮が怒りに満ちた声で言う
それを無視して太陽は話を続ける

「でもそれは、俺が寺坂に嫌がらせをされとったからや、俺だけとちゃう寺坂のことをイジメてた俺を含め龍二も匠海も昌暉も柊生も元はといえば皆が、寺坂に嫌がらせされとってんで?」

「例えばどんな?」

凌雅が質問する
太陽は真面目な顔で答えた

「体操服破かれたり、悪口言われたり
お金取られたり…」

太陽の言うことにはなぜか現実味があった
太陽の言っていることは本当なのか?
それとも…

「だから!昌暉らが同じ嫌がらせされてるってわかって5人でやり返そってなって」

太陽は、今にも泣き出しそうだった


「でも、太陽お前がやった事は」

俺は何を言ったらいいのか分からなかった
だが、口が勝手に動いていた


「ごめん、それは寺坂に悪いことしたとおもてる!!でも寺坂はもお、ここにおらへん
謝ることもできひんし悪かったおもてる!」


太陽は、床に崩れ落ち泣き出した
寺坂…寺坂と言いながら

ほかのメンバーは
どうしたらいいのか分からなくなっていた
俺も例外では無い

そんな中、凌雅が動いた



「ごめんな、太陽何も知らずにお前のことせめてばっかで」

そういいながら
太陽の元に駆け寄る凌雅

「ごめん、太陽、俺ごめん…」

「太陽ごめんね」

「太陽悪かった!」

凌雅に便乗してか拓弥、祐亮、晃介
も太陽の元に駆け寄る

「太陽勘違いして、ごめん」

俺も勘違いしていた事を謝った。

「……うっし、はじめよーぜ!
俺、なんの話かついてけないし」

海翔が、笑いながら言う

海翔は、朝寝ていたから
知らないのは当たり前だなと思い練習を
再開しようとした
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