契りのかたに君を想ふ





私は土方に着いて行くとある部屋に通された。




土方「お前はそこに座れ」




私は大人しく指定された場所へ座った。




「では、自己紹介からいこうか。俺は壬生浪士組局長の近藤勇だ」




土方「さっきも言ったが、俺は土方歳三。壬生浪士組副長だ」





「壬生浪士組副長の山南敬助です。宜しくお願いします」





「副長助勤、壬生浪士組1番組組長の沖田総司です」





「副長助勤、壬生浪士組2番組組長の永倉新八だ」





「副長助勤、3番組組長の斎藤一」





「同じく副長助勤、6番組組長の井上源三郎だよ」




「副長助勤、8番組組長の藤堂平助だ!宜しくな!」





「俺も副長助勤、10番組組長の原田左之助だ」




皆の自己紹介を聞いているといくつか疑問があった。




何故、皆着物を着ているのか。





何故、みんな髪が長いのか。





何故、あの有名な新撰組幹部と名前が全く同じなのか。





近藤「君の名前も教えてくれるかい?」





絵美「……私は胡桃沢 絵美です。あの、一つだけ尋ねて良いですか?」




近藤「我々が答えられることなら何でも良いぞ!」




絵美「今は……何年ですか?」




私がそう聞くと皆驚いたのかヒソヒソと話し始めた。




山南「今は文久3年ですが…」





絵美「ぶんきゅう…」




文久3年、つまり新撰組になるまえの壬生浪士組が京へ登った年だった。




土方「俺たちも聞きたいことが山程ある。まずお前は何処から来た。そしてお前はどこの者だ」





絵美「私は……」





何て言ったら良いんだろう…。




多分…私はタイムスリップをしてしまったんだ。



でも、そんなこと言っても信じてもらえるわけがない。




どうすれば良いんだろう…。





絵美「私…は……」




迷った挙句に私は決めた。




絵美「未来から来ました」




最初は呆気にとられたのか室内が静まり返ったが、それは鬼の副長によっていとも簡単に破られた。



土方「何ふざけたことを」



絵美「……信じられないのなら…私を斬りますか…?」




土方「………」





絵美「斬りますか?」





土方「そうだな。斬るしかねえな」





そう言って土方は刀を取り出し私の首元へ当てた。





絵美「本当に…斬ってくれるんですね?」





土方「………は?」





絵美の斬られることを望むかのような言い方に流石の土方も戸惑いが隠せなかった。





大抵の者は刀を取り出し脅せば正直に全てを話すが絵美は違ったのだ。





永倉「お前、死にてえのかよ?このままだと斬られるんだぞ」





絵美「私も馬鹿じゃないのでそんなこと分かってます。土方さん、斬ってくれるんですよね?良いですよ。斬ってください」




そう言って刀を掴み自らの首に更に強く押し付けた。




そんな時……




















バチンッーーーーー…。







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