クールな彼の溺愛注意報




かっこいいと思うよ!

そう続けるはずだったのに、きっぱりとさえぎられてしまった。



かっこいいって言われるの嫌いなのかな?


柊木くん、二宮くんは『王子さまって言われるの苦手』って言ってたし。



……じゃあなんで聞いてきたんだろう?



そのとき、キッチンの給湯リモコンが、お風呂がわいたことを知らせた。




「あ。お風呂、先入る?」


「ああ」




あたしの質問にうなずいた二宮くんは、ペットボトルを冷蔵庫にしまって、リビングをあとにした。


そのうしろ姿を見て、あたしはこっそり笑う。



今日はまた、二宮くんの笑顔を、ひとり占めしてしまった。



ほかの女の子と話すことすら避けてるってことは、

笑顔を見れる女の子もあたしくらいだってことだよね?



そう思うと、心があたたかくなって。

そしてちょっとだけ、どきどきした。





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