クールな彼の溺愛注意報




心拍数の加速も限界をこえて、あたしは声をふりしぼって懇願した。



声が届いたようで、二宮くんは唇を離して、あたしを見つめる。


その表情は切なさを思わせ……



……っていうより、眠そう?




「に……二宮くん……?」




あたしをとらえたままの二宮くんの瞳が、ゆっくりと閉じられていく。


やっぱりまつげすごく長いなぁ……じゃなくて!



眠気に負けた二宮くんがふらっと倒れこんでくる直前に、あたしは間一髪でソファーから抜け出した。



ぺたんとカーペットに座り込み、また眠ってしまった二宮くんを見あげる。



あっ……危なかった!

あのまま倒れこんでこられたら、どきどきどころか心臓が爆発するって……!



胸に手をあてて、あたしは乱れた息を繰り返した。


しだいに息が落ち着いてきて、脳内が冷静を取りもどす。



 
< 165 / 371 >

この作品をシェア

pagetop