クールな彼の溺愛注意報




だめだめ! もう考えちゃだめだ!

忘れ……るのは絶対に無理だけど、これ以上はもう考えない!




「そうだ。ご飯つくらなくちゃっ」




壁にかかった時計を見上げると、時針は18時すぎを示していた。



リビングのクローゼットから、薄手の毛布を取り出し、二宮くんの体にそっとかける。



部屋で制服を着替えたあたしは、髪を結びなおしながらキッチンに入った。



そこで、ふと思い返す。

あのとき、首筋に走った小さな痛み。



そこを触ったとたん、二宮くんの唇が触れた感触を思い出してしまい、

あたしはあわててぶんぶんと首を振った。



頭の中によみがえってくる、さきほどのできごとを必死にかき消す。



けれどハンバーグをつくっているときも、なかなか脳内から消えてはくれなくて。


あやうく、ハンバーグを焦がすところだった。





 *

 :

 +

 :

 
< 167 / 371 >

この作品をシェア

pagetop