クールな彼の溺愛注意報
脱力して座りこんでしまったみゆきを心配しつつ、
あたしの視線の先には、おろおろと逃げ道をさがしているようすの男子生徒。
「……ねえ、あたしの大事な親友になにしてくれてるの」
めいっぱいの怒気をふくんだあたしの声に、男子生徒は「ひいっ」と情けない声をもらした。
かまわずつめ寄り、ぐいっとその胸倉をつかみあげる。
身長はあたしのほうが低いけど、完全に彼は降参状態だ。
「みゆきはかわいいからあんたの気持ちもわかるけど!
あたしの天使を傷つけるようなまねしたら、ただじゃおかないから!!」
「はいいいっ! わかりました!」
男子生徒はおびえきったようにぶんぶんと何度もうなずく。
そしてあたしが胸倉を放したとたん、いちもくさんに教室から飛び出していった。
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