クールな彼の溺愛注意報




脱力して座りこんでしまったみゆきを心配しつつ、

あたしの視線の先には、おろおろと逃げ道をさがしているようすの男子生徒。




「……ねえ、あたしの大事な親友になにしてくれてるの」




めいっぱいの怒気をふくんだあたしの声に、男子生徒は「ひいっ」と情けない声をもらした。



かまわずつめ寄り、ぐいっとその胸倉をつかみあげる。


身長はあたしのほうが低いけど、完全に彼は降参状態だ。




「みゆきはかわいいからあんたの気持ちもわかるけど!
あたしの天使を傷つけるようなまねしたら、ただじゃおかないから!!」


「はいいいっ! わかりました!」




男子生徒はおびえきったようにぶんぶんと何度もうなずく。


そしてあたしが胸倉を放したとたん、いちもくさんに教室から飛び出していった。





 *

 ・

 +

 ・

 
< 3 / 371 >

この作品をシェア

pagetop