クールな彼の溺愛注意報
正直、期待しちゃったから、あたしはごまかすように長い髪をタオルで拭いた。
葵衣は包帯を巻くのを再開させて、少しあきれたようにあたしを見る。
「あのさ。一応、俺も男なんだから……」
「え?」
「……いや、やっぱりいい。信用されてるってことだよな」
小さな声でつぶやく葵衣に、クエスチョンマークを浮かべるあたし。
なんでいま、信用の話?
たしかに、葵衣のことは信用してるけど……。
首をかしげるあたしをよそに、葵衣は慣れた手つきで巻いた包帯を固定し終えた。
「ん。できた」
「ありがとう。やっぱ、葵衣もこういうの慣れてるんだね」
「べつに……誰でもできるし」
中学のときのことは触れてほしくないらしく、そっけない返しをする葵衣。
でも、あたしは踏み込むつもりで、葵衣の手をつかんだ。
もちろん、けがをしていない右手で。