ココロの記憶
繋る気持ち
私は、未だ頭の中が混乱中。
どん帳が下ろされても、舞台を見つめたまま動けないでいた。
「莉夏、私達も出よっか」
愛花が私の腕をつつく。
『うん、そだね』
愛花に促され、漸く視線を反らすことが出来た。
体育館を後にしたあと、そのまま愛花に連れて行かれたのは、さっき体育館に行くまで話をしていた空き教室。
「ライブ良かったね」
教室に入るなり、すぐに愛花が話し出した。
『うん。どれもいい歌だったね』
ドアを閉め、愛花に続いて私も中に入る。
「本当。特にラストの歌」
ドキッ
笑顔で愛花が振り返った。
『そぉだねぇ』