続*時を止めるキスを —Love is...—
その後、柚さんとは電話で話したものの、私の退勤時間までには戻れないとのこと。
専務の手前からか、「例の件は明日しましょう」と、主語なく宣告されては明日は逃げようもないですね……。
そして退勤した私は電車を乗り継ぎ、駅そばにある待ち合わせ先のファミレスへ入店する。
店員さんの案内を受け、禁煙の窓際席でひとりで席についた。そしてメニューをパパッと見ていく。
あ、もちろん駅で待ち合わせとかお店の前で待ち合わせとか、殊勝な態度は一切見せませんよ?
しかも先にオーダーを済ませてしまい、ボーッと窓の向こうの景色を見やる。
たった数ヶ月前なのに、ものすごく懐かしい気分に感じるから不思議なもの。
そこへテーブル上に置いていたスマホが着信を告げたため、通話に切り替える。
相手がもうすぐ到着するというので、すでに店内で待っている旨を伝えて会話を終えてしまう。
すると暫くして、見慣れた顔で現れた元彼——タカシがためらいなく向かいの席に座った。
「わりぃ!待った?」
「別に」
対峙するスーツ姿の男は満面の笑みを浮かべているけど、私といえば仏頂面のまま答えている。その温度差は明らかだ。