続*時を止めるキスを —Love is...—
愛情表現が分かりにくいのに、繊細でいて心配性。……普段のシニカルな彼からは想像も出来ないが、これもまたこの人の本性だ。
「……心配しすぎると禿げるよ」と、ひどい言い草とともに笑ってしまう私。
「ああ?何か言ったか?」
「えー、八つ当たりしないでよ。
ていうか今さらだけど、仕事って大丈夫?」
「ああ、まったく問題ない。
口の悪い同僚が羽田に出迎えてくれたおかげで、部長とは羽田で解散。荷物も向こうに預けてある」
柚さんは日帰りの割に遅いと感じていたけど、まさかそこまでフォローをしてくれていたとは。……私情に巻き込んで本当に申し訳ない。
ちなみに荷物も平然と預ける彼氏さんは、さすがのチーフですか。……そんな図々しい芸当、このズボラでも出来ませんよ?
あれこれ思いながらも、背中に回された腕の力と、この香りや声には抗えない。本当に心が落ち着ける場所はここと教えてくれるから。
「いつか柚さんに言うからね?……ほんと口悪いんですって。
今度は宿泊プレゼント以上を期待されてても知らないよ」
「あーあ。有益な情報提供にはそれ相応のものが必要だろうな。
今度はオマエも一緒に怒られろ。アレは下手なアトラクションより恐ろしいぞ」
「いやいや、柚さん私には優しいもん。
あ、怒られる姿を見守っててあげよっか?」
くすくす笑いながらツッコミを入れると、フッと頭上からも笑い声が聞こえてきた。