君だけに、そっとI love you.
次第に不安になっていく掬恵、少しずつ角度を落として俯く。
緊張で顔がこわばる。
出来物の病名を聞くのはちょっと恐いけれど、東先生いっそのこと早く言って欲しいと心の中で願っている掬恵。
掬恵の眼鏡と出来物を交互に見てじっくりと考えている東先生。
「東、先生?」と掬恵がか細い声で言った。
どうやら出来物ができた経過の原因を解明できた東先生。
「よしっ、わかったよ!」
「本当ですか──」
「うん」
東先生が掬恵に眼鏡を返した。
「おそらく、その眼鏡のノーズパッドに付いている金属と吉井さんの毛穴からでる皮脂と汗が反応をしたんじゃないかなと思う。もしかして、アレルギー体質?」
「いえ。たぶん、ちがうと思います──」