君だけに、そっとI love you.



「じゃあ、念のために血液検査だけをして、今日は帰ろうか。それから、もしかしたら……、金属アレルギーかもしれないので、しばらくは結果が出るまでは絶対に眼鏡を掛けないようにね」







掬恵が眉尻を下げて困った顔をする。






「そ、それは絶対に困ります……」






「どうして?」






「眼鏡は私の命なんです……。眼鏡が無くなったら、何も見えなくなって、私の世界が変わってしまうから」






「そうかぁ……。じゃあ、コンタクトは持ってるの?」






「いえ、持っていません」





「それじゃあ、コンタクトを作って持っておくと便利だよ。この機会に作ってみたら、どうかな?」






「コンタクト……。えっ……。やっぱり、私は眼鏡が慣れているので、眼鏡がいいです」







長年、ずっと眼鏡を愛用してきたポリシーがある。

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