君だけに、そっとI love you.





真っ暗な映画館、大きなスクリーン。






周翼と掬恵の席は中央の辺り。






他にもお客さんはいたが疎らに座っている程度。






周翼はリラックスをしているようだったが掬恵は少し緊張をしている様子だった。







映画が始まり、笑うツボが似ているのか同じ場面で同じタイミングで一緒に笑う周翼と掬恵。





合間に塩味のきいたポップコーンを頬張る。






映画館で食べるポップコーンは格別に美味しく感じる。






掬恵が真っ直ぐにスクリーンを観ている周翼の横顔を少し見た。







あの時、掬恵が周翼の描いた6個の絵から映画館を選んだ理由は──。





一つは単純な理由。






映画館の中は涼しいから。






二つ目は、楽しい記憶に塗り替えたかったから。







昔、ホラー映画を見て涙を流した辛い記憶。








きっと、周翼となら笑顔だけが残る記憶に出来るだろうと思ったからだった。

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