君だけに、そっとI love you.
周翼が掬恵の一歩前を歩き、掬恵が下を向きながら一生懸命についていこうと小走りで歩く。
──慣れない草履、思ったようにスピードを上げて早く歩けない。
振り返らない周翼、掬恵が早く歩けないと困っていることに全く気づいていない。
──ねぇ、坂口くん、ちょっと気づいてよ。
息が少し荒くなる掬恵。
「ついたよ、アイス屋さん!」
周翼が振り返った。
「エヘッ……」と笑って、辛そうな顔を隠す掬恵。