君だけに、そっとI love you.
──15分の休憩。
コンディションを整え、
後半の試合が始まる。
気持ちを高める為に、後半の試合に出るメンバー達が円陣を組み、気合いを入れて大声をあげる。
坂口くんは後半もベンチで控えて座っている。
掬恵はグランドを見ながら試合の様子をノートに細かく記録をする。
前半の試合の時よりも攻めの体制は格段と良くなった。
何度もシュートを打ちこもうとするが、やはり相手に止められてしまう。
汗を流し、ボールを守るように蹴りながら走っているキャプテンの西島先輩の顔付きが厳しくなる。
くそっ!俺は、ずっと、マークをされている。
――ずっと、つけられている……、誰か、誰かにパスをまわさないと、このボールは……死んでしまう!
だめだ、このままだと負けてしまう!
俺の周りに誰もいない。
覚悟を決めた西島先輩がシュートを決めようとした時だった、瞬時に相手にボールを取られてしまった。