君だけに、そっとI love you.
──授業が終わり、放課後。
帰り際、坂口くんが部費の500円を私に言付けにきた。
しかも──、500円玉硬貨の表に白い色の付箋を貼り付けて。
――【昨日、渡せなかった部費です。本日、部活を欠席します。よろしく。】
掬恵が「うん」と頷いた。
周翼が少し背中を丸めて教室を出ていく。
──これで、全部の部費が集まった。
部費が入っている缶を大事そうに持ち抱え、さっそうと歩いて溝口先生のいるところへ向かう掬恵。