俺たちの妹
みぃちゃんの腕を見ると刺しあとが数ヶ所あった。

既に何回かやり直した事が伺えた。

「すみません、お願いします」

弱々しく言葉を紡いだ野上さん。

でも、今はみぃちゃんが優先ね。

もともと痛いのが苦手な彼女にこれ以上無理をして欲しくない。

そう思い、点滴を刺す血管を丹念に探して、スッと刺す。

よかった。
上手く刺さったみたい。

「由奈さん、ありがとう」

「いいえ。何かあったらナースコールしてね」

そう言って病室を野上さんと出る。
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