俺たちの妹
「ん?どうしたの?2人とも……」

俺の言葉、可笑しかったかな?


「つ、司さんっっ‼︎
さっきの言葉ほんとですか?」

桜ちゃんは俺を見上げたまま、聞いてきた。


「ん?ほんとだよ。
桜ちゃんと居ると元気になるしね」

これはほんとの事だった。
病院へ来る人や、入院してる人からは得られない元気なパワーを桜ちゃんからはいつも感じてた。


「私は、元気だけが取り柄ですから。
司さんにも元気をお裾分け出来て嬉しい
です」

桜ちゃんの笑顔は輝いていた。


「あ、俺みぃに渡さないといけないものまだあったんだ。
ちょっと渡してきます」

そう言ってみぃの病室へ歩き出した葵は、さりげなく俺と桜ちゃんを2人にしてくれた。


「葵…行っちゃった……
でも、2人の時間邪魔しちゃダメですもんね」

桜ちゃんは少し寂しそうに笑った…


「じゃぁ、桜ちゃん。
俺と2人の時間過ごしてみる?」

俺は自覚したら行動に出るタイプ。

ずっと見守り続けるなんて無理なんだ……


「へっっ?……。
えっ?いいんですか?」

「桜ちゃんは俺との時間、過ごしてみたい?それとも過ごしてみたくない?」

あくまで桜ちゃんの意思が最優先。

無理やりなんてもってのほか。





「す……過ごしたいですっっ‼︎」

元気な声が廊下に響き渡った。


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