俺たちの妹
「ふふ。じゃぁ、決まり。
今日俺、早く帰れるから、ちょっとデートでもしない?」


「っっっ‼︎ 司さん……
私でいいんですか?」

「ん?桜ちゃんがいいの」

「っっっ‼︎
あ、ありがとうございますっっ」

「さっきの返事聞いてないけど…」

「よ、よろこんでっっ」

良い返事が聞けて良かった……



「じゃぁ、葵には先に帰るって連絡入れとけばいいから、一緒に来て?」

「はいっ」



連れてきたところは診察室。

「今日は俺、外来ないんだけど、この部屋は使わないから…」

「司さん、まだお仕事残ってますよね?私、1人でカフェにでも居るので、お仕事して下さいね」

ドアの前に立ち、にっこり笑う桜ちゃん。


「桜ちゃんは優しいね。
ほんと気にしなくていいよ」


『俺が一緒に居たいだけだから…』


は、まだ言える関係じゃないよな。

本音なんだけどね…

< 386 / 702 >

この作品をシェア

pagetop