俺たちの妹
「外も暑いね〜」

体育館を出ると、強い陽射しに照らされた。

「そうだね……でも、風があるから、気持ちいいね」

夏の風がみぃの髪を靡かせた。



ふと目に止まった、大きな木の下に出来た木陰。

「あの木陰で休もう」

「うん」

みんな、各々に座り出した。

「葵?悠斗くんとのプレー息ピッタリだね」

「私も思った〜。2人で練習したりしてるの?」

桜も会話に加わった。

「俺と葵は、中学から一緒だから、プレー中のお互いの考えてることがよく分かるのかもな〜」

「2人では特に練習してないよな。
ただ、俺は悠斗が…というか、誰が何処にいるかは常に把握してるよ」

「そうなの?」

何故か悠斗が1番驚いていた。

「把握してなきゃ、パス出せないだろ」

「そうだけど、常に…ってやっぱ葵は凄いよ」

悠斗は呟いた。

「でもその中で、1番パスが出しやすい場所にいるのが、悠斗なんだよ」

「俺?本当に?」

「ほんと。だから、よくパス出してるだろ?」

俺と悠斗の話を他の皆は楽しそうに聞いていた。

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