俺たちの妹
「みぃ?後の試合も見ていけそう?」

みぃはチラッと司さんをうかがって

「うん、大丈夫だよ」

にっこり笑ってくれた。


「葵、また次も頑張れるな」

悠斗に肩を叩かれた。

「うん。みぃ、無理だけはしないでね」

「無理はしてないよ。葵も怪我しない様にね」

みぃは、自分のことより人の事を考えるくせがあるから、ほんと心配。

「分かった。頑張ってくるね」

そう言って、みぃを抱きしめた。

「ちょっと、葵?」

みぃは驚いている。

「みぃはすぐに無理するから心配なんだよ。体調変だなと思ったら、絶対司さんに言うんだよ」

今日は俺が側に居れないから心配だ。

「ちゃんと言うよ」

みぃは、俺の気持ちを察してなのか、大人しく抱きしめられてくれた。

「司さん、みぃのこと、お願いします。
様子がおかしかったら、連れて帰って下さい」

「分かった。みぃの事は任せて。
葵は、試合頑張っておいで」

司さんの言葉を聞いて、俺は安心した。

「じゃぁ、行ってくるね」


俺と悠斗は、木陰を後にした。
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