俺たちの妹
ベッドで眠っている葵は、いつも見慣れてる葵じゃなくて、辛そうだった……


「……葵」

思わず溢れてしまった言葉。


「大丈夫だよ。熱が高いみたいだから辛そうだけどね」

ひな兄はにっこり笑って安心させてくれた。

「……うん」

「じゃぁ、俺はとりあえず診察するよ。
美晴は、お水と薬と冷えピタとタオル用意をしてくれる?」

「分かった」


小さい頃から行き来のある葵の家だから、どこに何があるのか知っている。

なのですぐに用意が出来た。


タオルが棚にあって、取るために上を向いたら、グラリと視界が揺れた。


「っっ‼︎」

咄嗟に壁に手をついて、倒れるのは免れたけど、少し休まないと動けない……
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