少しずつ、見えるミライ
「あ、もしかして、元ダンナ? だから、嫉妬してるんだ。」

「なっ、何言ってんだよ!!」

「違うの?」

「え? あ、いや、そう、だけど.....。」

「じゃ、今日のところは、内緒にしといてあげるよ。また来るって言ってたし。」

「へっ?」

「だって、店長に嘘つき嫉妬男だと思われたくないでしょ?」

「そりゃ、そうだけど。」

「じゃあ、感謝してよ。あぁ、あたしって、優しい。」

「.......。」



おぉ、助かった~!! ラッキー!!

って、違うだろ!!

やっぱ、それ、卑怯じゃね?

でも、未帆に嘘つき嫉妬男だとは思われたくないし、この際、そんなちっぽけな正義感は捨てる去るべきなのか.......?



って、あ〜っ!!

そんなことより、今度の土日って、俺、ツアーじゃん!!

ただでさえ、今は週に2回くらいしかバイト入ってないから心配なのに、俺がいない日、狙って来ちゃうか?

今度こそ、本当に、俺の知らないところで、あいつと未帆が会っちゃうかもしれないじゃん!!



しばらく音沙汰無かったのに、何度も訪ねて来るってことは、何か話があるんだよな?

それって、何だ?

やっぱり、復縁?

ふざけんな、そんなの許さねぇ!!

でも、決してあり得ない話じゃない.......



うっわ、もう最悪じゃん!!

今、あいつを待たせておけば、二人が何を話してるのか聞けたかもしれないのに。

嫉妬して、帰らせたりするから、こんなことになるんだよ。

身から出た錆とは言え、ダサ過ぎる.......
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