少しずつ、見えるミライ
そこへチャンスはやって来た。

修ちゃんと彼女が勤務していた支店の同僚の結婚式だ。

しかも、新郎と修ちゃんは同期で、大学も同じ。

仲の良い友達の結婚式なんだから、勧められれば飲んじゃうだろうし、乗せられればふざけるのもわかる。

その友情をを巧みに利用したところも、私は彼女を許せない。



その日、二次会までは修ちゃんと連絡がついていた。

まだ新婚一年足らずの夫婦だったし、私たちは上手く行っていた。

だから、修ちゃんはいつもマメに連絡をくれたし、私はそれを信用していた。



なのに、12時を回っても修ちゃんは帰って来なくて、何度、連絡をしても繋がらなくて.......

怖くなって、出席した知り合いにメールで確認したら、「金橋さんは相当酔った状態で三次会に向かっていた、彼に熱を上げてた女の子も一緒にいたから気をつけた方がいい」なんて、どうすることもできず、家で大人しく待っているしかない私の不安を煽るようなメールが返って来た。



向こうは冗談半分なのかもしれない。

でも、実際、修ちゃんはすごくモテる人だ。

修ちゃんに限って、そんなことあるはずがない。

最初はそう思っていた私も、心無いメールの文面に、だんだん心細くなって行った。
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