少しずつ、見えるミライ
「ごめんね、未帆さん。.....でも、絶対にこれ以上のことはしないって約束するから、許してくれますか?」

「.....うん。」

「ありがとう。じゃあ、もうちょっとだけ、こうしててもいい?」

「.....うん。」



そう答えるのが精いっぱいの私の身体は、どんどん熱くなって行く。

私を抱きしめる彼の腕の力も、少しずつ、少しずつ強く.......



だけど、これって現実なのかな。

あまりの急展開に、まだ半分は信じられない。



「それから.....もう我慢できなくなっちゃったから、言っていい?」

「.....え? 」

「未帆さん、大好き。」

「.........。」



うわぁぁぁ..........

ついにこの言葉を聞いてしまった。

ってことは、やっぱり彼の気持ちは本当に本当なんだよね.....?



身体中の力が一気に抜け、ヘナヘナになった私を、彼がギュ〜っと抱きしめる。

気付いていても、今まで受け止めることができなかった思いが、彼の体温と一緒に伝わって来る。



でも、どう受け止めたらいいのかな?

私は彼を好きになり始めているのかな?



突然過ぎて、わからないよ。

こんなに真っ直ぐ、正面から愛されたことがないから。

誰かを愛する気持ちなんて、どこかに置き忘れて来たままなんだから.......
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