少しずつ、見えるミライ
「あの子がいたら、他のショップの人達も喜ぶと思うんだけどなぁ。見てるだけで、癒されそうだし。」

「みんなのペットってこと?」

「あぁ、そうなるんじゃない? 彼目当てで通ってくれるお客さんもいるかもよ。」

「.......わかった。考えとく。」

「うそ? やったぁ。ホントによろしくね。」

「うん.....。」



とりあえず、明日、うちの二番手である契約社員の由貴ちゃんの意見も聞いてみよう。

うちのショップのメンバーは、私と由貴ちゃん以外、全員パートかアルバイトだ。

クールな由貴ちゃんの客観的な意見は、いつも私を助けてくれる。



賛成、反対に関わらず、由貴ちゃんならきっと、私が納得できるような言葉をくれるに違いない。

と言うか、今回の場合、どう考えても反対する要因がないから、「採用するに決まってます」って、由貴ちゃんにビシッと言ってもらった上で、諦めたい自分がいる気がする。



あぁ、もう、我ながら面倒くさい女。

私はいつから、こんなに臆病で厄介な女になっちゃったんだろう。
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