地味系男子の意外な素顔




「ふーん、でも教えてあげなーい。」



木村くんがそう早川さんの耳元で囁く。



…………なによ、木村くんったら。
少し可愛い女の子に好かれただけであんな表情しちゃって。



私にはあんな表情見せてもくれなかったくせに。



「っーー」



そんなことを考えていたからバチが当たってしまったのだろうか。



過去がフラッシュバックされる。



「っ、やだ…っ!」



思い出したくもないあの思い出。
私の黒歴史。



「矢野?どうかした?」



いち早く異変に気付いくれた木村くん。



「だ、いじょうぶっ。
だから……早川さんといて……」



怖い、吐き気がする。



「おい、矢野⁉︎ 」



私はその場から逃げた。



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