最も危険な  ルームシェア
俺は津田真司。

待ちわびていた。

今朝はいつも来る時間をもう10分も過ぎていた。

取引先のその女性はいつも営業マンと一緒だ。

彼女が一人の時はなかった。

営業マンはいつも型通りの対応でそつがなく

言い換えればなんの面白味もないヤツだ。

仕事も楽しみたいと言ったら語弊があるが

そうしたい余裕を持ちつつこなしたい俺としては

彼に不満があった。

つまり同行している彼女に同情を覚えるからだ。

彼女は俺の好みにかなり近く

話せるきっかけは皆無だった。

今朝までは。

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