最も危険な  ルームシェア
「どうかされましたか、皆さん?」と抱えたダンボール箱をデスクに置いた。

彼女は僕たちの状況が全くわかっていなかった。

笹尾がゆっくりと言った。

「期限切れだ。」

「そんなはずありません。」

彼女は資材管理の責任者としてきっぱりと答えた。

「使用期限が当月だ。」

「知ってます。」

「理解できない。」

僕はまた身体を押し付けてきた玲香とその二人のやり取りを眺めていた。

すると玲香がいきなり僕から離れた。

「笹尾くん、女の子には優しくね。」

そう言うなり置かれたダンボール箱を持って資材室を出て行った。

「これは高価なので期限が当月でも出します。業務部からの指示です。」

樋口奈々は小柄で一見弱々しい雰囲気だが

はっきりとそう言い切った。

「わかった。」

笹尾は納得したようだ。

「滝野さん?ご用件は何でしょうか?」

彼女は僕に笑みを向けた。

「今ので済んだから大丈夫。ありがとう。」

僕は資材室を出る時

背後で聞こえた二人の言葉に胸を詰まらせた。

「奈々、今夜はおしおきだ。」

「忍さん、聞こえちゃうじゃない。」

「俺は構わない。」

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