even if
昼休みになると、保健室は急に賑やかになる。
お昼を食べ終えた生徒たちが、おしゃべりをしにくるのだ。
具合が悪くて寝ている人がいる時以外は、私はいつでも大歓迎で迎える。
一年生、二年生は圧倒的に友だち関係や恋の話が多く、三年生になると、進路の話も増えてくるけど、やっぱり女の子はさっきの綾部さんみたいに、憧れの先輩や好きな人の話、そして、男の子たちは、というと。
『ななちゃん先生って、彼氏いんの?』
『てか、本当に24歳?14歳の間違いじゃなくて?』
『身長、150㌢あるの?ちょっとはかってあげようか?身長計どこ?』
完全に私をからかって遊んでいる。
『で、どうなの?ななちゃん先生、彼氏いんの?』
『今まで何人くらいと付き合ったの?』
次々と質問してくるのは、三年生のラグビー部員、遠藤くんと濱田くん。
今、彼氏いません。
彼氏いない歴は、ええと…かれこれ7年です。
付き合った人は一人です。
もしこれが女の子からの質問だったら、すんなりこう答えられるのだけど、目の前でわくわく、と目を輝かせる少年たちには、なんだか言いづらい、リアルな数字。
かと言って、すぐにばれそうな嘘をつくことも出来ず、そういう時、私はいつも決まって力なく笑ってしまうのだ。
『あ、また笑ってごまかす!!』
遠藤くんたちは、わぁわぁぎゃあぎゃあと散々騒いだあと、教室に戻っていった。
やれやれ。
人気のなくなった保健室は、静かで、グラウンドから聞こえてくる生徒たちの歓声に耳をすませる。
さっき、笹野さんが言ってくれた、
『ななちゃん先生がいるから』
を思い出して、心がポッと暖かくなるのを感じた。
お昼を食べ終えた生徒たちが、おしゃべりをしにくるのだ。
具合が悪くて寝ている人がいる時以外は、私はいつでも大歓迎で迎える。
一年生、二年生は圧倒的に友だち関係や恋の話が多く、三年生になると、進路の話も増えてくるけど、やっぱり女の子はさっきの綾部さんみたいに、憧れの先輩や好きな人の話、そして、男の子たちは、というと。
『ななちゃん先生って、彼氏いんの?』
『てか、本当に24歳?14歳の間違いじゃなくて?』
『身長、150㌢あるの?ちょっとはかってあげようか?身長計どこ?』
完全に私をからかって遊んでいる。
『で、どうなの?ななちゃん先生、彼氏いんの?』
『今まで何人くらいと付き合ったの?』
次々と質問してくるのは、三年生のラグビー部員、遠藤くんと濱田くん。
今、彼氏いません。
彼氏いない歴は、ええと…かれこれ7年です。
付き合った人は一人です。
もしこれが女の子からの質問だったら、すんなりこう答えられるのだけど、目の前でわくわく、と目を輝かせる少年たちには、なんだか言いづらい、リアルな数字。
かと言って、すぐにばれそうな嘘をつくことも出来ず、そういう時、私はいつも決まって力なく笑ってしまうのだ。
『あ、また笑ってごまかす!!』
遠藤くんたちは、わぁわぁぎゃあぎゃあと散々騒いだあと、教室に戻っていった。
やれやれ。
人気のなくなった保健室は、静かで、グラウンドから聞こえてくる生徒たちの歓声に耳をすませる。
さっき、笹野さんが言ってくれた、
『ななちゃん先生がいるから』
を思い出して、心がポッと暖かくなるのを感じた。