even if
業務日誌を打ち込み、時計を見ると、もう八時になろうとしていた。

一応、勤務時間は8時から17時…だけど、ここに来てから、5時に帰れた日なんて一日もない。
昼間は、生徒たちがいて、なかなか事務仕事が出来ないからだ。

私の要領が悪いのかな…。
ちょっと落ち込んじゃう。

トボトボと、一人暮らしをしているハイツまで歩きながら、スマホを取り出すと、地元の友だち8人で作ってるグループからラインが入っていた。

未読105件。

(夏々子ー、生きてる?)

(仕事どう?)

(チビだから、高校生にばかにされてるんじゃない?)

(いじめられたら、言うんだよ)

(お仕置きしてあげるからね)

(今度、いつ帰って来るの?)

(飲もうよー)

(あたし、焼き鳥)

(いいねー)

他愛もない会話を読みながら、次第に元気が出てくる。

(今、終わったよ。いじめられてないから大丈夫)

そう返事をしながら、次に地元に帰れるのはいつかなぁ、と手帳を取り出した。


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