恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜



嫌みを込めて拓海を見る。


ミス七夕を当てた奴が独占できると言う

話になった。


「そうだな…奈々ちゃん。違う⁈」


拓海より早く声を上げる。


もちろん作戦の1つだったが、拓海が怒

っている。


そんなに独占したかったのか⁈


奈々ちゃんと会話していても、おもしろ

いように拓海が反応する。


笑いを堪えるのが大変だ。


奈々ちゃんも拓海と花村さんが気になる

らしく俺との話なんて聞いてない。


花村さん、彼女の様子からして大輔さん

に片思い中ってとこか⁈


大輔さんが飲み物を運んできたら、急に

拓海にすり寄りだし自分に気を引こうと

するなんて女ってかわいい。


女の考えなんて手に取るようにわかるの

に、早希だけは違う。


俺の考えと真逆の反応をする。


そう、今まさにそうだ。


なぜ、他の男といるのか?


俺の横で、サポートするのが普通だろう

が‼︎


目で合図し、横に座らせるとなぜか、ホ

ッとする。


「俺、奈々ちゃんタイプなんだよね。俺

なんてどう⁈」


拓海の目が釣り上がると同時に奈々ちゃ

んが拓海の顔色を伺う。


2人の反応が良すぎて笑いがもれる。


きっと、こいつと付き合ったら奈々ちゃ

んは大変だろうと思うと小声で(相談に乗

るよ)と微笑んでいた。


みんなで二次会に行こうとしていたら早

希から奈々ちゃんが帰ることを聞いた。


楽しませてもらったことだし、お詫びに

拓海に教えてやると慌てて追いかける拓

海。


そんな拓海をしばらく見ていた。

お前、本気なんだなぁ…


俺にも、本気になる存在が現れるだろう

か?


きっと、無理だろう。


心のどこかが壊れているのだから…


これからも1人の女だけを心から好きに

なることはないだろう。


だが、早希、なぜかお前には嫌われたく

ない。


お前の側は、なぜか居心地がいいんだ。


…だから、俺を好きにならないでくれ。

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