恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜
「早希ちゃんの前だと焦ったり、イラつ

いてたり表情が変わるのは心を許してる

証拠だと思うよ」


「そう言ってもらえるとうれしいんです

けど、…現状に満足しているのに彼を好

きになりすぎてそれ以上のことを求めて

しまいそうで不安なんです」


「やっぱり、早希ちゃんおもしろいね。

「普通、つき合い始めたころって不安よ

りワクワクして楽しいこと考えると思う

けど、まぁ、人間は欲張りな生き物なん

だから、不安にならずに貪欲になってい

いと思うけど…、それだけ、雅樹のこと

好きってことだろう⁈」


「はい…好きです。欲張っていいんです

か?」


(くっ、あははは〜)

人前でこれ以上はもう無理。

笑いを堪えようとするマスター。


「どうする⁈…雅樹」


背後にいる人物に声をかけるマスター。


えっ、えー……


「不安にさせないんで…余計なお世話で

す。」


マスターは、作っていたカクテルを差し

出した。


「これは、俺からのプレゼント。プリン

セスメリー…祝福って言う言葉があるか

ら2人で飲んでね」


マスターは目を細めカウンターの奥へ行

ってしまった。


横に座りカクテルを半分ほど飲む雅樹。


残りを飲むように進められるが、雅樹が

いることに動揺する。


「それよりもマスターとの話をどこから

聞いていたの⁇」


「後ろの席からだけど……」


はい⁇


後ろを振り向けば、雅樹がいたであろう

席には、飲みかけのグラスが……2つ⁇


誰かと飲んでいたの⁈


「そう…じゃなくて話どこから聞いてた

の⁈」


「最初から…」


クスッと笑う雅樹。


「え…私が店に来た時にはいたの⁈」


「早希が来る前からいたけど…」


もう、穴があったら入りたい。


「もう、なんで声かけてくれないの」


「気づかない早希が悪い。…おかけでい

いこと聞けたし大輔さんには感謝だな」


カウンターの奥のマスターを睨むと(ごめ

んね)と唇を動かし目を細める。


「早希は、欲張りになるぐらい俺のこと

好きなの⁈」


「………」


「言わないとここでキスするけど…」


なんでそうなるのよ。


聞いてたくせになんでまた言わせるの。


近づく雅樹の顔は意地悪な笑みを浮かべ

た。


「(もう…)す…き」
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