チェンジ!


俺は下を向き、小さくため息をついた。



‥‥その瞬間、

ドン、という音がして空を見上げると、
一発目の花火が夜空に打ちあがっていた。


夜空に映える、黄色の大きな花火。




「始まった!
わぁー!綺麗!」



美保が嬉しそうに空を見上げる。
花火の光に照らされた美保の横顔は、思わず見とれてしまうくらい綺麗だ。


嬉しそうな美保を見ていると、俺まで幸せになれる。
一緒にこうして花火が見られるなんて、本当に夢みたいだな‥‥。




暗い紺色の、夏の夜空に花火の光と音だけが響く。
それから俺と美保は、会話もなく二人で花火を見上げていた。



そして、花火を見始めてからしばらくした時
静かに花火の音だけが響く中、美保がぽつりと言った。
< 217 / 296 >

この作品をシェア

pagetop