チェンジ!
俺は下を向き、小さくため息をついた。
‥‥その瞬間、
ドン、という音がして空を見上げると、
一発目の花火が夜空に打ちあがっていた。
夜空に映える、黄色の大きな花火。
「始まった!
わぁー!綺麗!」
美保が嬉しそうに空を見上げる。
花火の光に照らされた美保の横顔は、思わず見とれてしまうくらい綺麗だ。
嬉しそうな美保を見ていると、俺まで幸せになれる。
一緒にこうして花火が見られるなんて、本当に夢みたいだな‥‥。
暗い紺色の、夏の夜空に花火の光と音だけが響く。
それから俺と美保は、会話もなく二人で花火を見上げていた。
そして、花火を見始めてからしばらくした時
静かに花火の音だけが響く中、美保がぽつりと言った。