【完】復讐の元姫
だけど。
シオは、シオだけは。
この話を聞いたとき、何も言わなかった。
ただ。
『ねぇ、凌』
『あ?』
『凌は、自分のことが嫌いだって言うけど』
『………』
『私も麗も、みんなも。
凌のこと、大好きだから』
そのシオの何気ない言葉に、俺が救われたことなんて。
それから少し、変わろうとしたなんて。
アイツは何も知らない。
実質、すぐには変わることなんて出来なかったけど。
成績は今でも悪いけど。
でも、少し自分の生きる場所が出来る気がした。
それなのに。