【完】復讐の元姫



「いや、大事なとこそこじゃねーよ!!」



「え、逆にどこが大切なのー!!」



「……ひさしぶりに、シオの笑顔見た」



「……あ」



梨緒が、目を見開いた。



「……シオちゃん」



「……別に、私も笑うけど」



それがどうしたの?と言う彼女は、気付いてない。



今の笑顔が、シオが姫だった頃に毎日シオが見せていた笑顔で。




「……なんでもないよー。

お腹空いたー」



「俺も腹減った」



「沙和の奢り、ありがたくいただくわ~」



シオが、俺等から離れてから。



1度も見ることのなかった、消えてしまった笑顔だったということなんて。



【沙和sideend】
< 121 / 392 >

この作品をシェア

pagetop