【完】復讐の元姫



「俺が好きな女は、これから先も今までもたったひとりだ」



視界が滲む。



「で、も」



「でもまぁ、お前を手離さないといけなくなった理由もちゃんとある。

それもまだ、解決してない」



だから、と彼は続ける。



「お前の気持ちが変わってないなら、待っててくれないか」



「麗……」



そんなの……。




私を手離す理由があった、なんて。



でもまだ、彼は私を思ってくれてる、なんて。



「私、」



何も知らなかった。



裏切ったって言われて、それで。



「世界で一番、お前だけを愛してる」



彼は私のこと、嫌いになったと思ってた。



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