【完】復讐の元姫
「なあ、シオ」
「う、ん」
「お前がもし、何度誰かに裏切り者だって言われたとしてもな?」
言われたと、しても。
「俺が何回でも、救ってやるから」
何度でも、お前のこと護ってやる。
お前が頑張ってるのは、この俺がちゃんと知ってる。
「あ、りがと。凌」
そう言って、シオは俺が好きな笑顔で笑った。
「私、それだけで救われるから」
「ああ」
「本当にありがとう、凌」
そう言ったシオが、本当は誰を見ているのか。
誰を想ってるのか、分かってるけど。
「俺の姫はお前だけだからな」
それにはあえて、気付かないフリをした。