【完】復讐の元姫

:小悪魔BOY




「シオちゃん、ごめんなさい……っ」



──目の前で。



目に涙をいっぱい溜める彼に、私は言葉を失った。



「あ、の……梨緒?」



誰にも内緒で、来て欲しいと頼まれた空き教室。



さっき沙和と一緒に話してるとき、こっそり彼のカバンから鍵を抜き取ったのだけれど。



バレたら殺されそうだな、なんて思いながら廊下を歩いていたら。



凌に声をかけられて、味方になってくれるって言うし。




そのあと彼に電話が入った隙に、「用事あるから」と空き教室に来たら。



梨緒は廊下で私のことを待ってくれていた。



そして中に入れば、なぜかいきなり涙目で謝られたんだけど。



一体これは、どういう状況なんだろうか。



「あ、っのね!

今日の朝教室行って1番に沙和ちゃんに怒られちゃって」



……はい?



なんでそこで沙和?と思いつつ、彼の言葉を待つ。



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