【完】復讐の元姫



「“今までシオのなにを見てきたの”って怒られちゃった」



「え……」



「本当にごめんね、シオちゃん。

僕、やっぱりシオちゃんと一緒にいたい……っ」



「梨緒……」



「2年前、本当にすごく楽しかったんだもんっ。

みんなで一緒に出掛けたり遊んだりしてたけど、」



今じゃみんなバラバラだよ、という梨緒の瞳からはもう涙が溢れそうになっていた。



「麗くんは冷めちゃったし、奈々ちゃんが麗くんにベッタリなんだもん」



「……うん、そうだね」




そっと。



彼の頭を撫でてあげれば、甘える子どもみたいに梨緒が抱きついてきた。



麗の甘え方とはまた違って可愛らしい。



「シオちゃんっ、」



「もう泣かないで。

大丈夫だから」



「僕っ、ちゃんとシオちゃんの味方だよっ」



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