【完】復讐の元姫
麗は、今でも。
「汐乃」
アイツが、好きだ。
バカなんじゃねーの?
アイツに裏切られたくせに。
同じチームの幹部3人が、まだアイツのこと忘れられてない、なんて。
ふざけてるにも程がある。
裏切りを理解しきれないでいるだなんて、ほかのヤツが聞いたらきっと怒る。
だけど。
忘れようとすればするほど、アイツの笑顔が浮かんで。
頭の中から、消えてくれない。
「麗?」
ふと、麗が立ち止まってアイツの名前を呼んだと思えば。
麗の視線は、廊下にある窓の外。
俺も横から、覗きこむ。