【完】復讐の元姫



「……あ」



この校舎は、門に1番近い。



そのおかげもあってか。



門のすぐ近くにある小さなカフェは、窓から見えた。



そこからちょうど、アイツと時雨が出て来たらしい。



お茶でもしてたのかよ……。



出てきたと思えば、アイツと時雨は学校に戻ってくる様子はなく。




「……麗」



「………」



「麗、早く行かねーと2限始まる」



「……ああ」



窓から消える、アイツと時雨の姿を。



麗はただ、目で追っていただけだった。



裏切られたから、忘れられる。



あのときのショックだけは大きかったくせに、そう思ったのは間違いだったらしい。



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