【完】復讐の元姫
「異様なぐらいの執着だね」
その子がいなくなったら、死んじゃうんじゃないの?と。
目の前の男が発すれば、麗が睨みをきかせる。
……まぁ。
実際、麗の隣にシオがいない生活なんて、苦しいだけなんだろう。
ずっと麗は、シオしか見えてないから。
「面倒だから、さっさと終わらせましょうよ」
そう言って、姿を現したのは。
「奈々」
「別に、私は対して用があるわけじゃないし。
あなたが地獄を見れば、それで十分なの」
あなた、というのは、恐らくシオで。
「さっさと、終わらせて」
シオは少し顔を俯かせていた。
麗が、不安を除くように彼女に何かを囁いているけれど。
そんなのきっと、気休めになんてならないんだろう。
「じゃあ、始めようか」