【完】復讐の元姫



「お前と一緒にいるために、解決したんだろ」



2年前、傷つけたのも。



汐乃が大切だからで。



『……ほんと、ごめんね。

麗のこと、大好きなんだけど』



全部伝えきれなかったや、と。



汐乃の涙混じりの声が聞こえて、いたたまれなくなる。



……なんで、いつも。



『お別れしなきゃだね、麗』



汐乃とただ、一緒にいたいだけなのに。




こうも、すれ違うんだろうか。



婚約なんてしたら、それこそ。



汐乃に手が届かなくなる。



南っていうグループは、そう小さくない。



だからこそ、さらに手が届かなくなる。



……ずっと一緒に、いるつもりだったのに。



< 296 / 392 >

この作品をシェア

pagetop